ピンチョンこわい。登場人物がめちゃくちゃ多くて、正直、アノ人とアノ人が同じ人物だと気づかないこと多々あって、具体的にいうと、読了後に解説読んで「あの人があの人で、だから整形外科が」みたいな状態だったり――っていう感想が出てしまうぐらい初々しい作品な気がします。なんというか、ピンチョンってそういうとこ越えてる印象あるので。
といいつつ、それすら意図的なモノにみえてしまう怖さがあります。つまり、デビュー作である今作は、ここから綴られるピンチョンの作品履歴における導入・プロローグなのではないか――と思ってしまうわけです。「V.」における時間・場所の交錯は「V.」の中にとどまっていない。彼の「作品群自体」が、そのような構造になっているのではないか、そして、ピンチョンは、それを意図しているのではないか。そんなカンジで、ピンチョンの「陰謀」を感じてしまうこと、これこそが「V.」なのかもしれませんね。こわーー。
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- 感想投稿日 : 2011年5月30日
- 読了日 : 2011年5月30日
- 本棚登録日 : 2011年5月30日
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