「極北」ってのは、なにか修飾語かと思って読み始めたら、地名なのな。という、海堂尊の十八番の病院物。
極北市という、多分北海道の何処かがモデルになった都市において、腐敗しまくった病院に配属された主人公がアレコレしようかなーというところまでが上巻。ちょこっと出てきて全てを持っていく、噂の姫宮が出てくるので、その印象意外残らないが、やっぱりそこが面白い。
医療上のテクニカルにどうのこうのは、前置胎盤と褥瘡の話くらいで、むしろ腐敗した公務員による病院経営をターゲットにしてるのかな?それともそこに中途半端に巻き込まれた医師の無力感という話になるのか、下巻を読まないとまだわからない。
公務員の腐敗・怠惰に関しては、ウンウンと頷きながら読んでいたわけで、それに準じてサボろうとする医師や看護師の社会ってのも、なんとも既視感が。
とはいえ、そういう赤字自治体で、その自治体名を冠した病院がボコボコなのに、医学部付きの大学が有るっていうのはちょっとわからない。大学があれば、そこまでひどくならんのじゃないのかな。
あと、そういうダメ病院なら病院機能評価でもやらないと…なんて思ってたら、下巻ですぐに出てきてますね。さて、フィクサーにはだれが出てくるんでしょうかね。
しかし、文字がでかくて薄い、肝心な人物が上巻で出てこない、というスタイルが、海堂尊のやり方なのかもしれないけど、どうにも気に食わんのな。新装版では1冊にまとまっているそうで、それでいいような気がする。☆1個減点。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミステリ
- 感想投稿日 : 2015年12月2日
- 読了日 : 2015年12月2日
- 本棚登録日 : 2015年12月2日
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