東京青年 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店 (2002年4月25日発売)
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感想 : 3
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青空文庫に片岡義男の作品の一部が収録されているのを知ったので、1冊読んでみた。Kindle版でないのは後述。

東京の吉祥寺(?)付近に住むヨシオは、美しい女性を見ることが好きであった。ヨシオ青年と、同級生で写真家の冬彦が、複数の女性を巡って紡ぎ出すドラマ。

青空文庫だが、短編にもかかわらず、あとがきも含めて全て1冊としてまとめられているため、電子書籍自作派にとっても非常に読みやすく、素晴らしい。

それはさておき、本全体の前半は青いリビドーに翻弄されつつ、女性と交流を持っていくさま、後半は、優子という同級生の母親の痕跡を探す話である。一般的な小説としては、後半のほうが面白いであろう。

金に困らない高校~大学生活を送り、じっと見つめていると、女性の方から寄ってくるというジゴロぶり。吉行淳之介や坂口安吾もだが、夢を語っているのか、私小説なのかは判然としないが、でもまあ、現実にはないよね。しかも石原裕次郎の時代じゃあるまいし、写真の腕や文章の腕はプロ顔負けという設定も、モテないウジウジしたほうが受け入れやすい1980年代以降の読者なので、ちょっと違うかな。

と思ってたら、1996年に出た小説らしい。あとがきを見てびっくりした。その時代には受けなかったんじゃないのかな。

で、表紙は角川の文庫からお借りしたわけだが、あとがきに作者本人から「自分で撮った写真を単行本にも文庫にもできて嬉しい」と書いているわけで、Kindle版ではそれが小さくなっているのはどうなのかと思ったわけです。

また別のを読んでみよう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 私小説
感想投稿日 : 2019年5月9日
読了日 : 2019年5月8日
本棚登録日 : 2019年5月8日

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