伝説シリーズかつ、主人公は一般人で特殊能力を持ったりしていないので、おもしろいパターン。
バーテンをしている店にバイトとして連れ込んだ親友が目の前で銃撃され、一命を取り留めるのだが、その親友にいろいろと不思議な過去が…。その後主人公は広告代理店に入社しながらSFを書いていくという、作者と重なってくる部分が面白い。
厳密に言ってしまうと、SFではなく、SFのアイデアの部分だけで書いてしまったような話。というのも「多分特殊能力」というだけで、あとは特に明かされない程度である。
SFらしさは殆ど無かったり、大きな事件に巻き込まれることもなかったり、SF談義の中では、他の半村作品が引き合いに出されたりと、他の作品を読んでいないと楽しめない部分があるのだが、単純に波乱万丈な人生を読んでいるだけで引きこまれていく。
また、半村良のお得意の歴史談義もなし。なのに、内容に引き込まれていくんだよなあ。うまく読者をのせるポイントを突いてくる良作である。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
SF
- 感想投稿日 : 2016年6月26日
- 読了日 : 2016年6月23日
- 本棚登録日 : 2016年6月24日
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