ジュリエット (角川ホラー文庫)

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感想 : 11
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はいはい、毎度(以下略)。今月どうよ、このクソ本率。といっても、角川ホラーの高いハズレ率からいうと、さほど意外でもありませんが。

父親の失業とともに、小さな島の開発が失敗したホテルの廃墟に住むようになった家族の不思議な体験。

プロットから背景の作り方から、突っ込みどころ満載なのはおいておいて、この作者は非常に真面目なのはよくわかる。文章はそれなりに丁寧に書かれていて、少し前に読んだあさのあつこのように、読んでいる最中に投げ捨てたくなることはなかった。

しかし、はじめから7割位まで、まったくもって何に焦点を当てたいのかわからない散漫な文章に加え、中途半端に夢の話を混ぜて混乱させ、さらに虫やカエルなどの本筋と関係ない部分での恐怖の対象を作ってしまうなど、ボケボケである。

さらに、「ホラーにしなきゃ」と思ってるんだろうけど、のっけからの死体の腐敗、車に踏み潰されるカエルなど、本当に無駄としか言いようのないグロ表現に情熱を注ぎまくっているため、どこに恐怖を持てばよいのかわからん。

また、14歳の女の子視点で一貫していればいい話なのに、父親に視点を移してみたり、挙句に5歳児なんかに視点を移すもんだから、「見えない部分の恐怖」みたいなものが一つもない。

7割方終わったところで、ようやく本題の「思い出に食い殺される」が始まるのだが、こちらは恐怖というよりも、グロを交えた単なるノスタルジーであって、ホラーでもなんでもないというオチ。

そもそも、これまでに死んだ人の思い出っていうのなら、5歳の子供よりも40代のおっさんのほうが多いはずで、プロットなり重点を置く場所について、根本的に間違った小説といえる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ホラー
感想投稿日 : 2016年2月25日
読了日 : 2016年2月25日
本棚登録日 : 2016年2月25日

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