神々の山嶺 上 (集英社文庫)

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本棚登録 : 2280
レビュー : 251
著者 :
tikuoさん ミステリ   読み終わった 

多数巻を平行に読了月間。
夢枕獏といえば山。その中の山でもエベレストにかけた男羽生、その謎に満ちた人生を追う。

エベレストの麓の町の古道具屋で、とある古いカメラを見つけた深町。その形になぜか見覚えがあり、買い求めたところ、エベレスト登頂を果たせなかった伝説の登山家、マロリーの物と同一であることを知る。そのカメラの入手先と中にあったはずのフィルムを追うと、謎の日本人登山家、羽生にたどり着く…。

上下巻の長い話なのに登場人物は限られていることもあるのだが、ストーリーの巧みさについ引き込まれる。前提の部分は若干のダレはあるわけだが、人物や事件にはほとんど無駄なく構成された話と言える。

相変わらず、あらすじや前提を読まずに読み始めたのだが、「羽生丈二」には、実在のモデル(森田勝)がおり、そのエピソードを追っていることがわかるが、小説家で脚色が入ったとはいっても、相当な波乱万丈の人生をたどっていることは容易に想像がつく。

上巻では、半ばの半分は日本での聞き取りという形になっており、羽生の軌跡をたどっているが、残り半分のチベットでの事件や日常がこれがまたよくできており、キャラクターのアクの強さも相まって、映画のノベライズのように情景が見えてくるのが面白い。

上巻だけではまだ始まったばかりというところだが、登山が好きな人でなくても十分に楽しめる作品であろう。

どうでも良いツッコミ。
コダックベストは、ベスト版フィルムで、ブローニーではないし、この手の中盤フィルムは、未現像だとだめなんじゃないかなーというのが、カメラマニアからのご意見。

レビュー投稿日
2018年6月5日
読了日
2018年6月4日
本棚登録日
2018年6月4日
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