月のしずく (文春文庫)

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本棚登録 : 1504
レビュー : 191
著者 :
tikuoさん 一般小説   読み終わった 

多分ああいう感じなんだろうなと、わかってないようでわかったような雰囲気のある浅田次郎。そういうわけでしばらく避けてきたんだけど、短編集だから良いかなと思ったのが間違い。

工場のパッキンの仕分けと品出しをしている、男やもめの40過ぎ。夜にフラフラとしていたら、やくざ者と見られる男が、銀座あたりのホステスを車から蹴り飛ばし、喧嘩の上さるところを見かける。行き先のないホステスを一晩泊めることになったが…。

全体に、純文学になりきらないし、人間ドラマというほどでもないフワフワとした感覚の小説が続く。全体に漂う厭世観や投げやりな雰囲気が書きたいというところはわかるのだが、なんというか、のめり込んだりするほどのものでもない。

最後の過去に捨てられた、実の母親に、好きでもない男と結婚すると言いにローマまで旅立つという話は、女性作家かな?と錯覚させるものがあり、それはそれで秀でたテクニックなのだろうが、それで何か?と思ってしまうのだ。

ヤクザの鉄砲玉に男として惚れてしまう話が、まあまあ読める程度。

なお、微細な部分だが、背中側から抱きしめて寝るというシチュエーションがやたら出てくるのだけど、そういう性癖なのかしらん。

ま、長編を一本くらい読んでから判断。

レビュー投稿日
2019年4月29日
読了日
2019年4月29日
本棚登録日
2019年4月29日
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