迷信博覧会 (ちくま文庫 た 1-9)

著者 :
  • 筑摩書房 (1991年12月1日発売)
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本棚登録 : 46
感想 : 5
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現代まで言い伝えられている迷信を、古今東西の戯曲や故事を参照しながら由来と意味を調べるだけでなく突っ込んでいく、博物エッセイ。

超常現象や魔法に関わる博物エッセイというと、やはり澁澤龍彦の右に出るものはいないと思うのだが、あちらがたおやかでスルリスルリと進むのに対し、こちらはかなりパワフルに話が進む。なお、パワフルな文章だが、シブタツには負けない丁寧で読みやすい文章であるため、負けず劣らず面白く読めるはずだ。

前半部分は故事、古い戯曲からスタートするという手前、迷信としてはぼんやりしたものが多いものの、媚薬を境に具体的な話が多くなって、ことさら面白い。

「一富士二鷹三茄子」が徳川家康由来であるだけでなく、実は茄子は別のものを刺していた、なんてのは、読んでからこう喋りたくなるじゃないですか。シブタツのだとそこまで行かないんですよね。

電子書籍でも購入できるようなので、あれば購入をおすすめしたい1冊。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2016年11月12日
読了日 : 2016年11月11日
本棚登録日 : 2016年11月12日

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