痴人の愛 (新潮文庫)

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本棚登録 : 6154
レビュー : 788
著者 :
地球っこさん 日本文学:著者た行   読み終わった 

なんでナオミは最後、譲治のところへ戻ってきたんだろう。もっとお金持ちだったりハンサムだったり、何でも自由にやらせてくれる男は探せばいくらでもいただろうし、いや探さなくても花の蜜に誘われて飛んでくる蝶のように、ヒラヒラと男の方からやってきたはず。西洋館に住み西洋人のように暮らしたいのであれば西洋人と一緒になればいいのだし。夫婦とならなくても愛人でもいいのではないか。現にナオミの周りには、譲治と別れる前から途切れることなく男たちがいたじゃない。
それなのに、ナオミは譲治の元へ戻ってきた。まぁスンナリとただでは戻らないのが彼女だけど。ジリジリと譲治の本能をなまめかしくいたぶり、からかい惑乱する。遂に譲治は自分からナオミの足下に身を投げ跪いてしまうことになる。ナオミは譲治と再び夫婦という形をとりながら、好き勝手に生きることの出来る人生を手に入れた。
ナオミを崇拝する譲治の姿を愛と呼ぶならば、譲治を奴隷のように扱うナオミの姿も愛なんだろう。
ナオミにとって自分の前に跪き身悶え陶酔し堕落していく男がいる。この譲治こそ、彼女の魅力を引き立たせ、身も心もゾクゾクさせる満足感を与えてくれるモノなんじゃないのかな。夫婦という柵があってこその燃え上がる多情愛。だから譲治の元へ戻ってきたんだと思う。
きっとこれも愛なんだろう。たぶん。うん。そぅ。たぶん。

レビュー投稿日
2017年11月19日
読了日
2017年11月19日
本棚登録日
2017年11月19日
8
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