本をとじる。
はぁ。泣きそう。大好きな梨木さんの世界。感想が書けない。具体的な言葉が出てこないよ。
霧深い静寂な森のなかを、ひとりで彷徨い歩いているような感じだった。
森へ一歩足を踏み入れたときには、何をしにいくのか、どこに向かうのか、目的や辿り着くべきところがあったのだろうけれど、気がつけば、それらのことは何の意味も持たずに、只々ゆっくりゆっくりと歩を進めている。
そう。自分の心のなかを、冷めた自分が外側からじっと眺めている感じ。時折、どんよりした闇が胸の奥底から湧き出ては、何かに追われているように、動悸が激しくなる。
それは、わたし自身?
鼻の奥がつんと痛くなるような、哀愁と切なさと、戻ることの出来ない記憶のなか。しっとりと濡れた足元。それをじっとみつめるわたし。
確かに、胸奥の深い森へと還って行く作品集。見失っていた自分に立ち返るために。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学:著者な行
- 感想投稿日 : 2014年12月7日
- 読了日 : 2014年12月7日
- 本棚登録日 : 2014年12月4日
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コメント 3件
猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2022/04/02
地球っこさんのコメント
2022/04/02
猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2022/04/02