韓国文学を旅する60章 (エリア・スタディーズ)

制作 : 波田野節子  斎藤真理子  きむふな 
  • 明石書店 (2020年12月18日発売)
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感想 : 7
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──文学と旅はよく似ている。──

本書は文学を手掛かりにして、韓国に旅立つための案内書だ。
執筆者たちは、韓国の古典から現代までの作家と作品について「場所」をキーワードにして語っている。その「場所」とは、作品の舞台であったり、作家が育った故郷であったり、執筆者が作家と出会った場所であったりと様々。

現在の韓国文学は女性作家たちが書いた小説、特にフェミニズムの視点を含んだ作品が大きな流れを作っている。『82年生まれ、キム・ジヨン』や『ヒョンナムオッパへ』、『私たちが光の速さで進めないなら』など、数々の「女性の物語」が翻訳され、私たちも読むことができるようになった。
これら今日の韓国文学、つまり民主化以降(1990年代~)の作品にあっては、雑誌やネットなどで紹介されたりブックガイドも出版されるなど、日本にいながら情報が入手しやすくなったと思う。
しかしながら、それ以前の韓国文学を読みたいと思っても、これがなかなか情報量も少なく、翻訳されたものも限られており、また入手困難な状態となっていることに気づいた。
現代の韓国文学を読んでいくと、おのずとその根底に流れている何か、(たとえば「恨」や「情」の概念など)を深く知りたくなって、過去へと手を伸ばしたくなる。なのに、私の手の届くところにないのだ。
このもどかしい思いを全部とはいえないものの解消してくれたのが、この文学案内書。
私はこの案内書で、韓国の古典の世界に少し触れることができた。そしてそれは興味のある朝鮮王朝時代を理解していく上でも、とても参考になった。
これから少しずつ過去から現代の文学へと、何かを探りながら歩を進めていきたいと思っている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ブックガイド・読書・本屋
感想投稿日 : 2021年8月17日
読了日 : 2021年8月17日
本棚登録日 : 2021年8月17日

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