タイトルからずっと気になっていた一冊。
きっと自分も似たような気持ちが続いているからだと思う。死にたいと思いつつ、大好きなチョコレートは食べたいし日本酒も飲みたいし。
冒頭の『はじめに』ですでに、私自身の心のうちがそのまま文章になっているようで驚愕した。書店でその部分を立ち読みしてそのままレジに持って行った。
ぼんやりとしたうつ状態が続く“気分変調症”の治療を記録した内容は、基本的にカウンセラーと著者の対話形式になっていて読みやすい。全てに共感できるわけではなかったけれど、彼女の文章は(翻訳者の方の力もあいまって)とても魅力的。
彼女の言う通り特にオチはないので、そのあたりを期待しているなら読まなくても良いかもしれない。ただ、何かしらの矛盾を抱えて日々生きている人、陰と陽のどちらにも振り切れられない人、白黒ではなくグレーを選んでしまう人にはぜひ一読してほしい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2020年6月10日
- 読了日 : 2020年6月10日
- 本棚登録日 : 2020年2月23日
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