釧路が舞台の小説。当時は一世を風靡したらしい。
腕に障害を抱え劇団に出入りする以外完全にぷー太郎の主人公怜子が、浮気妻を持つ建築家の桂木と恋仲になる。
人と接する機会が少なくやや空想癖のある若い女性が、自分の思いのままに行動して、悲劇を招くといった話か。
正直、怜子に感情移入は全くできなかったし、桂木が彼女に惹かれた理由もよくわからない。はっきり言って悪い女だと思う。ただ、怜子の視点を中心に、怜子と桂木や、桂木夫人と間男、怜子父と店のマダムといった関係が折り重なって話が進むのが話の魅力か。
怜子が時折お寒いフランス語を使うのは、時代のせいなのかそれとも彼女の若さを表しているのか。
煙草のシーンが多いのも、時代を感じる。怜子ばかりか桂木夫人ですら当然のように吸っている。舞台が北海道というのもあるんだろうけど。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2013年6月23日
- 読了日 : 2013年6月7日
- 本棚登録日 : 2013年3月31日
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