もし、死者と一度だけ再会できるできるとしたら-。
テーマとしてはありがちかもしれないし、この種の話を何冊か読んだような気もするけれど、抜きんでた面白さでした。
穏やかな筆致も印象深いのですが、何と言っても物語の構成力が抜群だったと思います。感動的なエピソードを連綿とつづると思わせたタイミングでの女子高生の話にはぞっとさせられましたし、最終話での切り口の変え方と思わぬ伏線の回収もお見事でした。
何の為に、誰の為に生者は死者と会い、会わせるのか。各々の生き方の根源を問うような重いテーマもさりげなく見え隠れしていて、読者の心のうちに何かを残していくような、そんな印象作でした。辻村さんの本、もうちょっと集めてみよう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説・ミステリ
- 感想投稿日 : 2018年10月15日
- 読了日 : 2018年10月15日
- 本棚登録日 : 2018年10月15日
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