火星に作られた、ヴェネチアを模した人工都市を舞台とするSF漫画。
…と、ジャンルとしてはそうなる訳ですが読みどころは全然違う次第でして(笑)。
何気ない日常の中に、どれだけのキラキラが詰まっているのか、本書を読み返すたびにつくづく思い知らされます。美しい街と美しい人々、悪人も悪事とも無縁の物語。だけどそこに嫌味さはかけらも無く、世界はこんなにも美しいのかと読むたびに心が洗われます。
とりわけ猫妖精が出てくる話が大好きなのですが、楽しかった日々にもいつか変化は必ず訪れるわけで。53話「ケット・シー」(11巻)を読んだ時には(しかも、アニメ版サントラを聴きながらだった)、ウルウルすると共に終わりへの予感を覚えて寂しくなったものです。
ここから最終話までの展開は、それは、もう…1ページめくるたびに切なくて切なくて。
だけどARIAはやっぱりARIAで、終わり方まで極上の美しさでした。
珠玉の名作。
(大人の事情で最初の2巻だけタイトルが異なります。「AQUA」からどうぞ)
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
マンガ
- 感想投稿日 : 2016年9月24日
- 読了日 : 2010年10月27日
- 本棚登録日 : 2016年9月24日
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