ある夢想者の肖像

  • 白水社 (2015年9月25日発売)
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本棚登録 : 106
感想 : 11

短編作家として有名なスティーヴン・ミルハウザーの初期長編。
ミルハウザーは本質的に短編作家だと思っているが、長編も緻密に形作られていて、こういうタイプの作家は珍しいのではないか。
本作では後に諸短編でも扱われた様々なモチーフが登場する。特に『夏の夜の徘徊』は作中でも印象的に用いられていて、夜の散歩が持つ不思議な魅力がこなれていない分、よりダイレクトに伝わってくる。また、濃厚で緻密な描写も魅力的で、些かくどいように感じられるほど繰り返される。
『訳者あとがき』を見ると、未邦訳のものがけっこう残っているので、また近いうちに刊行されて欲しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年9月27日
読了日 : 2015年9月27日
本棚登録日 : 2015年9月24日

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