主人公・立花浩樹めぐる人たちを描く7つの連作短編集。
タイトルが示すように一種の再生の物語ですが、挫折が十分に描かれていないせいだと思いますが、どこかサラリとした軽さを感じます。
個々の再生の物語と思っていたのが、最終章でひとまとめにしてしまうのは面白く、力強さを感じるのですが、その為にも真ん中の一編「甘い果実」は無い方が良かったように思います。他の編とのつながりも弱く、再生というより一時的な逃避のように見えますし。また「ボーイズ・トーク」の岡野の扱いもどうかな。彼の問題は家族との乖離だと思うのですが、むしろさらに離れる方向になっているようなのですが。
とはいえ、伊吹さんらしい優しい話でした。
読書状況:読み終わった
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一般
- 感想投稿日 : 2017年8月7日
- 読了日 : 2017年8月7日
- 本棚登録日 : 2017年8月7日
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