ベイカー街の女たちと幽霊少年団 ミセス・ハドスンとメアリー・ワトスンの事件簿 2 (角川文庫)
- KADOKAWA (2020年12月24日発売)


ベイカー街221Bの家主にして家政婦の彼女の名前はミセス・マーサ・ハドソン。下宿人はあの名探偵だ。彼とその相棒が数々の事件に飛び回る中、家を守るのが役割だったはずのハドソン夫人に転機が訪れたのはしばらく前のお話。
病に倒れ運び込まれたセント・バーソロミュー病院でマーサは死神の影を見る。翌朝同じ病室の患者が息を引き取っているのが発見された。悪夢のような出来事にマーサは違和感を覚える。怪しげな患者たちに不可解な看護士を前にマーサは独自に「捜査」を開始する。
折しも頼りになるマーサの相棒メアリ・ワトスンから聞かさせた『街中に現れる幽霊が如き少年団』の噂が真実味を帯びてくる。2人のミセスは事件の謎に踏み込んでいく。
名探偵が活躍する物語中では脇役のハドソン夫人が主役となるこのシリーズ。彼の人の身近で謎解きや捜査方法、人の動かし方などを身に付けていたマーサと夫と同じく相棒を務めるメアリの絶妙なコンビワーク。彼女たちのサポート役となるベイカー・ストリート・イレギュラーズの面々も物語に欠かせない存在だ。マーサを信頼たる人間だと慕う彼等との関係性も時代が時代だけに温かみを感じる。
気難しく時に傍若無人な彼の人が時折見せるマーサを特別な存在だと思わせる言動にツンデレか!と突っ込まずにいられない。
中盤若干の中だるみ感はあるものの後半からの謎解き加速度に振り落とされないように!
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年10月19日
- 読了日 : 2021年10月19日
- 本棚登録日 : 2021年10月19日
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