新訂 福翁自伝 (岩波文庫)

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著者 : 福沢諭吉
制作 : 富田 正文 
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田島俊郎先生(総合科学部国際文化コース)ご推薦

教育者の自伝なんてオモシロくなさそう。道徳や自慢話を聞かされそうで、遠ざけておいたほうが良さそうだ。でも、そうでもないんです。緒方洪庵塾での修行時代は、酒を飲んで騒いだり、塾中に一冊しかない辞書で徹夜で予習したり、遊びと勉強にいっぱいで、道徳臭さはない。
咸臨丸で行ったアメリカやヨーロッパで戸惑う様子はさらに面白い。もっとも、ただ戸惑ったと言っても、ちゃんと予習はしていた。でも予習してもわからないことは多い。「原書を読んでわからぬところは字引を引いて調べさえすればわからぬことはないが、外国の人に一番わかり易いことでほとんど字引にも載せないというようなことが一番難しい。」そう、わかっている人には、何がわからないかもわからないから説明もできない。わからない方だって何がわからないかわかった上でないと、説明を求めることもできない。
大概のことはネットで調べられそうな現代だが、何がわからないかは、ネットは教えてくれない。自分で体験して驚いて何がわからないかを確認することが大事だというのは、今も諭吉の時代と変わらぬ真理だろう。

レビュー投稿日
2015年8月4日
本棚登録日
2015年8月4日
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