カモメに飛ぶことを教えた猫

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制作 : Luis Sep´ulveda  河野 万里子 
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依岡隆児先生(総合科学部国際文化コース)ご推薦

ハンブルクの港に黒い雄猫が住んでいました。ある日、原油まみれになった瀕死のカモメが空から落ちてきます。カモメは死に際に卵を生み、雄猫にこの子を育て、飛ぶことを教えてやってほしいと頼みます。名誉にかけてその遺言を守ると決めた雄猫は、それから子育てと飛び方を教えることという難事業に挑みます。
そのカモメは雄猫を「母親」と思ったまま育ちます。やがて一人前になったが、飛ぶことは17回試みて17回失敗。教会の上から放たれてやっと飛ぶことに成功します。その巣立っていく「わが子」を見ながら、雄猫が「飛ぶことができるのは、心の底からそうしたいと願った者が、全力で挑戦したときだけだ」とつぶやきます。本当の自分になるためには、ときに命をかけなくてならないのだという真実をついています。
「ぼくたちはみんな、きみを愛している、(中略)きみのことを猫にしようなどとは一度も考えず、心の底から愛情をそそいできた。ぼくたちはきみを、カモメとして愛しているんだよ」。これもなんと美しいことばでしょう。異なる者同士の共存の寓話として、一読を勧めたい作品です。

レビュー投稿日
2015年7月14日
本棚登録日
2015年7月14日
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