小田実全集 評論〈1〉何でも見てやろう

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著者 : 小田実
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依岡隆児先生(総合科学部国際文化コース)ご推薦

1958年、大学院生だった筆者はフルブライト留学生としてアメリカに旅立つことに。ところがこの男、なんと英語がからっきしだめだったのです。
「まあなんとかなるやろ」と出発。美術館から共同便所まで「何でも見てやろう」と「誓い」をたてます。さっそく大学そっちのけで、町に繰り出します。完全に不良留学生です。芸術家村で無銭滞在も体験、一方で、いまだ人種差別の残る南部にも行って黒人差別を前に、白人の側に立つ自分の矛盾にさらされたりもします。
ついでにヨーロッパ、アジアも回って帰国、すでに2年が経っていました。旅を終えて「日本が地図にあるあの弓なりの列島のかたちで見えた」と言います。英語を学びにではなく、世界の見方を学んできたのです。裸一貫で飛び込んでいった世界では、人間のやさしさが身にしみます。いつしか、いかなるときにも弱い人々の側に立とうとする人間になっていました。日本の「壁」を持ち前の「大阪人」根性で突破し、一人の世界市民に生まれ変わっていたのです。
うっとうしいくらい熱い小田実のこの本を、一度読まれたい。さわやかな気分になること請け合いです。

レビュー投稿日
2015年7月14日
本棚登録日
2015年7月14日
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