陰謀の日本中世史 (角川新書)

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本棚登録 : 901
レビュー : 70
著者 :
tokyobayさん  未設定  読み終わった 

#麒麟がくる はそれなりに評判がよかったように思える。しかしながら専門家にとっては「光秀の動機などどうでもいい」のであって「学問的に意味がない」し「ああいううので盛り上がるのは素人」であって「時間の無駄」だから「相手にしない」らしい。
著者はそのような風潮に警鐘をならす。放置していれば「陰謀論」が「社会的影響力」を増すと。確かに、なぜ本能寺の変が起こったのか?は現代社会にとってはハッキリ言ってどうでもいい話ではある。 しかしながら、現代社会でも陰謀論は存在する。著者の狙いは「イデオロギー対立と直接関係のない中世の陰謀を題材に陰謀論のパターンを論じれば、人々が陰謀論への耐性をつける一助になるのではないか」というものである。
人はどうしても歴史に「因果」を求めてしまう。それは「単純」であるほどいい。その方がわかりやすいしスッキリするからである。ただしそこには「論理の飛躍」や「結果から逆行して原因を引き出す」という思考に陥りやすいという問題がある。本書は「歴史」に学ぶというよりも「歴史学」に学ぶというテイストではあるが、全く学問的な業績にはならない「研究」をあえて行う著者の誠実さは傾聴に値するように思える。本書で大河ドラマを振り返ってみるのもいいのかもしれない。

レビュー投稿日
2021年2月9日
読了日
2021年2月9日
本棚登録日
2021年2月9日
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