ルポ 大学崩壊 (ちくま新書 1708)

著者 :
  • 筑摩書房 (2023年2月9日発売)
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感想 : 23

様々な大学の不祥事が列挙されているが、その背景にあるのが法改正による政財界や大学経営者の権力強化であるとしている。今大学で何か起きているのかを知るにはよくまとまっていて有益である。
確かに昔に比べると大学には自由はなくなったようにも思えるが、他方教員と学生との関係はフラットにはなりつつあるようには思える。問題は、その上の政財界や経営サイドからの締め付けが、教員や学生への圧力となっているということだろう。ただし、訴訟が頻発しているというのは、問題が表面化しているということでもあるので、これはこれで「正常化」とも言えるのかもしれない。良くも悪くも、大学も一般企業化してきたということなんだと思う。
大学には膨大な税金が使われているにも拘らず、自分や子供が卒業してしまえば関係はなくなるので、社会的な関心が低くなりがちではあるが、国全体の課題として国民がもっと関心を持つべき問題である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年6月5日
読了日 : 2023年6月5日
本棚登録日 : 2023年6月5日

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