「あいつは何を考えているのかよくわからない」という抵抗感覚を持つ原因理由から精神の実在感を証明する件が興味深い。「個別的自由」と「共感世界」という2つの前提への態度の問題なのだろうが、前者と後者のバランスによって、情緒的・理性的な関係様式が決定されるのだろう。(要するに自由人は必然的に共感度合いが低くなるし、結果理性的関係の構築が困難だから、情緒的関係に特化するしかないという事なのだろう。その典型が「男はつらいよ」の寅さんなのだろうけど)
新書にありがちなキャッチーな題名はダサイし、設問によっては切り込み方が甘かったり少々首をかしげるところもあるのだが、それこそが「あいつは何を考えているのかよくわからない」という抵抗感覚なのかもしれない。
人間の生は死と労働と愛と権力という4つの課題を抱えているらしいが、「所詮、この世は色と欲」で乗り切れたら楽なんだけどな。
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- 感想投稿日 : 2013年10月1日
- 読了日 : 2013年10月1日
- 本棚登録日 : 2013年5月10日
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