特上カバチ!! カバチタレ!2 (18) (モーニングKC)

  • 講談社 (2009年9月1日発売)
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本書(田島隆・原作、東風孝広・漫画『特上カバチ!! ―カバチタレ!2―』第18巻、講談社、2009年)はゼロゼロ物件や追い出し屋という悪徳不動産業者の貧困ビジネスと対峙する。敷金ゼロ礼金ゼロのゼロゼロ物件が最初から貧しい賃借人を搾取するためのワナとして描かれる。
家財道具を運び出すなど不動産業者の追い出し行為は悪質である。行政書士が法律を武器に闘う作品であるため、法律の細かな規定を利用して悪徳不動産業者を追い詰める展開になるが、むしろゼロゼロ物件被害者の朝澤佑亮の徹底抗戦に惹かれる。被害者が泣き寝入りせず、悪徳不動産業者と戦うことが重要である。
残念ながら日本では「不正に直面した場合に不正そのものと戦うことよりも、不正を前提として、その中で上手く泳ごうとするメンタリティが強い」(林田力「区画整理・再開発反対運動の脆さと方向性(上)」PJニュース2010年8月31日)。だからこそ悪徳不動産業者に徹底抗戦するゼロゼロ物件被害者が輝く。(林田力)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 住まいの貧困
感想投稿日 : 2011年11月17日
読了日 : 2011年11月17日
本棚登録日 : 2011年11月17日

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