へうげもの(11) (モーニング KC)

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本棚登録 : 598
レビュー : 30
著者 :
林田力さん マンガ   読み終わった 

山田芳裕『へうげもの 11』は文禄の役の講話交渉や慶長伏見大地震が描かれる。古田織部は趣があるものを指す言葉「乙なもの」を広げようとする。「乙なもの」は甲乙で言えばランクが落ちるが、むしろ定石を外した面白さが最高なものと賞賛される。価格が高いか低いかなど直線的な上下関係でしか見ない単純な価値観に対するアンチテーゼになる。
徳川家康の目指す天下が示される。戦国を終わらせるという理想は良い。しかし、争いのない世界を徹底すると、自由な創意を認めない世界になる。ここで織部は対立するのだろう。もっとも、それ以前に瀬戸物の経営をめぐって対立が生まれそうである。自由な創意を抑圧する世界は、戦後日本の業界横並びの官僚主導経済にもつながる。官僚主導経済が批判される21世紀に織部が再評価されることは意味がある。
本作品では伊達政宗の色々なエピソードに古田織部が絡んでいた。この巻では福島正則と黒田家家臣の日本号のエピソードに織部が絡む。正則は豊臣恩顧の大名の筆頭格である。大坂の陣では江戸幕府から動向が警戒されたものの、織部とは対照的な結果となった。結局は正則も元和5年(1619年)に改易されることを考えると複雑である。改易時の広島城受け取りは林田藩の初代藩主の建部政長が務めている。

レビュー投稿日
2019年12月30日
読了日
2019年12月30日
本棚登録日
2019年12月30日
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