究極の鍛錬 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  •  成功を得るためには何をすべきか?ということを検証している。ひたすら練習をするということが重要であり、成功には才能は関係ないという。つまり成功に必要なのは才能ではなく練習であるということになる。にわかには信じがたいことであるが、これを説明するために全体の1/3を費やし、要所要所でもこのことに繰り返し触れている。
     音楽大学での研究がそれを証明している。入学時はそれほど差がないのに卒業後の進路には大きな差がある。ある人はオーケストラの一因となり、ある人は音楽とはそれほど関係のない道へ進む。何がその差をもたらすのかを研究した結果、練習量という結論が出た。音楽の道へ進んだ人はとにかく練習量が多いのである。音楽以外の分野においても同様の傾向があり、練習量の差が成功するか否かの要因となっているという。よくよく考えると練習すればできるようになるということは誰もが経験している。例えば字を書くことや自転車、自動車が、さらには歩くことも練習の結果できるようになったものである。それをより高いところに持っていくためにはさらに練習するだけということになる。
     さて、単に練習をすればよいのかというとそうではない。できないことをできるようになるまで繰り返す必要がある。往々にしてそのような練習はつまらないしつらい。だからこそ練習をすることに意味がある。音楽大学の例でも一人でコツコツとつらい練習を繰り返していた人ほど「才能がある」と評されるような地位についている。また、フィードバックも重要である。練習の方向性が間違っていれば、どれだけつらい練習をしていても結果に結びつかない。指導してくれる人がいるのであればアドバイスをもらえばよいし、そうでない場合でもコンテストなどで自分の位置を確認できる。
     成功とまでいかなくても、やりたいことがうまくできないのはなぜか。それは練習が足りないから。厳しい指摘ではあるが救いでもある。練習さえすればできるようになるのだから。

  • 達人と素人の違いは考え抜いた努力をどれだけ行ったのかの違いなのである。というセリフが本質的な1冊。
    考え抜かれた努力=究極の鍛錬をすることで、誰でも偉大な功績を残すことができる。

    ◯究極の鍛錬
    1.しばしば教師の手をかり、実績向上のために特別に考案されている。
    2.何度も繰り返すことができる
    3.結果に関して継続的にフィードバックを受けることができる
    4.精神的にとても辛い
    5.あまり面白くもない

    問題を見抜いてその問題を解決するためだけに鍛錬の方法をひたすら考え抜く人だけが、成功することができる。

    ◯究極の鍛錬の前提条件
    1.仕事の前に、自己有能感をもって目標設定する
    2.仕事中にメタ認知(自分の状態把握、自己把握)を行う
    3.仕事の後に、結果に対する分析とフィードバックを行う

  •  かつてメンターから頂いた本。改めて再読し、モチベーションを復活させることができた笑!

     7歳下の彼は仕事には厳しかった。緻密な論理と十全なデータから帰結するベストな道を支店長や地域統括、場合によっては本社の役員にさえも物おじすることなく進言した。栄転していった彼は、今でも私にとってはぶっ飛んだ超人的な存在だ。

     周囲に容赦ない彼をして『彼はなまいきだ』と揶揄する輩もいたが、彼は自分自身にはより厳しかった。ボート部出身の彼は大学時代より始めたボートについて、自らの基礎的才能の無さと累積経験量の無さを認知し、大学時代より自らの練習やパフォーマンスをノートに記載し日の終わりにチェックし、そして改善を図っていた(因みに大学では日本一になったらしい)。

     自らを認知し、ベターな方策を考え、それをたゆまず続けるストイックさは社会人になってからも続き、彼の手元には10数年分の日記の山があるという。そんな彼は常日頃から『私は才能もないしほんとバカなんで』と謙遜ではなく本気で語っていた。

     そんな彼から授かった本は、読む度に私のやる気を奮い立たせてくれる。その要旨は端的に言えば『天才とは、究極の鍛錬の累積経験量によって作られる』ということ。

     本書では、芸術やスポーツ分野の実例より、優れた業績は才能という天賦の要素ではなく、つらく厳しい訓練の累積量から成されることを主張している。タイガーウッズ、モーツァルトなどが事例に出ているが、要は天才は作れるという話だ。読者本人だけにとどまらず、子を持つ親にとっても、希望を見いだせるのではないか。

     更に本書では、天才が作れるという事が芸事に限ったことではなくビジネスにも転用できるとしている。その証左としてジャック・ウエルチやジェフリー・イメルト等が新卒の時はおよそ印象にすら残らない”薄い”社員であった例を挙げている。今私たちの周囲にいるデキメンを追い抜くチャンスが我々にもあるということである。肝は、正しい訓練と累積時間である。

     勿論このつらく厳しい訓練を続けていくためにはいわゆるモチベーションの維持が大事だ。この内的動因を我がものにできたならば、あとは厳しくも鍛錬を続けて行ける。そしていわゆる達人とか名人とかと呼ばれるところまで自らを高めることができる。

     本書の魅力はまだまだ言い尽くせない。子育てに関することやエイジングに関する示唆的な内容も詰まっている。とにかく多くの人に読んでもらいたい。が、敢えて言えば、自分はいまいちだと思っているサラリーマン、子どもにより良い道を歩ませたいと考えている親御さん、或いは自分の才能を疑ってしまう方々にお勧めしたい。
     名人・達人への必要条件の一つが厳しい鍛錬とその累積だとすれば、その道へ飛び込む勇気さえあればその要素は得られるわけです。ではもしその厳しい道を歩むための内的要因(好きだ、楽しい、続けたい、面白い等々)が既にあればどうか。もう、やらなければ勿体無い! 本書は、天才という一般的見解を覆す画期的な作品である。

  • 考え抜かれた努力をすることで、誰でも偉大な功績を残すことができる

    個人の能力が何よりも重要になった現代社会において、優れた偉業は才能ではなく、知能や記憶力でもなく、「究極の鍛錬(Deliberate Practice)」によって生み出される。

    成果を残すことのできない人は鍛錬方法そのものが間違っているだけである。

    究極の鍛錬とは、以下の5つの要素を兼ね備えたものである。

    究極の鍛錬の5つの要素

    1.しばしば教師の手をかり、実績向上のために特別に考案されている。
    2.何度も繰り返すことができる
    3.結果に関して継続的にフィードバックを受けることができる
    4.チェスやビジネスのように純粋に知的な活動であるか、スポーツのように主に肉体的な活動であるかに関わらず、精神的にはとても辛い
    5.あまり面白くもない

    偉業を残す人とそうでない人の違いは、究極の鍛錬のような「考え抜かれた努力」をすることであり、問題を見抜いてその問題を解決するためだけに鍛錬の方法をひたすら考え抜く人だけが、成功することができる。

    そのためのヒント、以下のような3つの要素を紹介している。

    日々の仕事を究極の鍛錬にするために

    1.仕事の前に、自己有能感をもって目標設定する
    2.仕事中にメタ認知(自分の状態把握、自己把握)を行う
    3.仕事の後に、結果に対する分析とフィードバックを行う

    プロや専門家の優位点は「蓄えている知識の量」によって生み出される。そのため何か成果を残すためには、知識を身につけて実践する努力と、継続した努力の年数が必須である。

  • 傑出したクリエイターはいずれも自分が選んだ専門分野で全身全霊仕事に打ち込み、自分の人生を捧げ、膨大な知識を蓄積し、常に自分自身をその領域の最先端に置くよう努力した者であるということを体系的にまとめた本。

    詳細は下記
    https://note.com/t06901ky/n/n1b1700ce37fe

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