評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている

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  • ダイヤモンド社 (2011年2月25日発売)
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 著者の出世作にして代表作『ぼくたちの洗脳社会』の増補改訂版。
 旧版は僕のモノの見方に「引き返せない楔」を打ち込みました。

 まず1・2章では、アルビン・トフラー『第三の波』に沿って人類の歴史をざっと振り返ります。
(実はこの部分、大学受験現代文で頻出するジャンルの一つ「中世、近代」が見事なまでに要領よくまとまっています)

 そして3章からは、評価経済社会とはどういう社会であるかについて説明されます。
 要約すると、現在の貨幣経済社会が衰退し、一番影響力を持つものがお金から評価へ移行する。そして、現在はその移行期の混乱の中にある、というのが本書の指摘です。
 ここでよく誤解を受けるのが、お金が無価値になるわけではありません。お金は依然として必要ですし、価値を持ち続けるのですが、その価値が相対的に下がり、評価の価値が上がる、ということです(「評価価値>貨幣価値」)。最近流行の「ステマ」(ステルス・マーケティング)も、評価経済社会における”詐欺”という文脈で考えることができるんじゃないでしょうか。(と同時に、一度信頼(評価)を失うと、その評価は金ではなかなか取り返せないのも「評価価値>貨幣価値」の現れだと言えそうです)

 他にも論点は多岐にわたります。15年前の旧版は予言の書みたいでしたが、今読んで周りを見渡すとあちこちに評価経済的な仕掛けがあるのに驚かされます。
 ネットがここまで浸透した今の我々の生活。これを振り返る意味で読んでみると、きっと違った風景が見えてくるのではないでしょうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年3月8日
読了日 : 2011年6月7日
本棚登録日 : 2011年6月7日

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