一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)

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レビュー : 107
富屋大介さん  未設定  読み終わった 

 大西泰斗&ポール・マクベイのコンビによる英文法シリーズの総決算とも言える本。『ネイティブスピーカー』シリーズや『NHK ハートで感じる』シリーズでおなじみの著者が、3年の歳月をかけて書き上げた意欲的な英文法解説書です。

 意欲的と書きましたが、本書の説明は従来の英文法の説明と趣を異にします。これまでの無機質なルールの集積になっていた英文法をネイティブの語感に基づいて再構成したことのが本書で、僕は大西英語に出会って初めて関西弁で和訳することができるようになりました。
 …というと「何じゃそりゃ?」と思われそうですが、僕は、既存の英文法だとどうしても規則の暗記と機械的な置き換えになりがちでした。

 高校時代、英文法を習いながら「日本語を読むような感覚で英文を読めるレベルに達するには、これをあとどれだけ覚えれば良いんだろう」と漠然と思っていました。つまり、今自分がやってる英文法の勉強の先に、英語が使える自分というのをイメージできなかったのです。

 転機が訪れたのは「NHK 3ヶ月トピック英会話 ハートで感じる英文法」という番組で大西&クリス両先生と出会ったときでした。

 that の「指し示す」というイメージから I tink that ~ の感覚と意味を説明され、「省略可能(=書いても書かなくても良い)なんてウソ! thatがあるのとないのとでは語感が全然違う」という指摘に、目から鱗が落ちまくりでした。そしてそれと同時に「確かにそうだよなぁ」と深く納得したのを覚えています。

 仮定法も、なぜ時制をずらすのかが全然理解できなかったんですが、「過去=距離感(今から切り離された"遠い"過去)」というイメージから類推し、「仮定=現実離れ」というイメージを過去の時制(距離感)で表現しているという説明に激しく納得。
 その後、エリック・クラプトンの「Change the world」を聴いて「ああ、なるほど。だからそこでwouldがつくんだ!」と、目を細めて歌うクラプトンの目線の先に仮定法の現実離れした距離感を感じつつ(笑)、歌詞の中の will と would の使い分けの意味・感覚を理解でき、好きな曲の歌詞の意味を理解することができました。

 …とまぁ二つほど例を挙げましたが、ここまでお読みいただいておわかりの通り、僕の英語力なんて大したことはありません。「趣味は英語」レベルです。
 だけど、英語に接したときの苦手意識はなくなりました。今までなら理解できない表現があるとパスでしたが、今は「これ、どういう意味? どういう意味・感覚に基づいた、どういう構造の表現なんだろう?」と考えるようになりました。
 そして、関西弁の話に戻りますが、英語を感覚を伴って理解できるようになったので、「要はこういうことが言いたいんだな」というのが感覚レベルでつかめるようになったので、自分の言葉で訳せるようになりました。

 僕にとって大西先生の英文法は、英語を自分のことばにしてくれたのと同時に、英語を自分で考えられるようにしてくれました。高校時代にこんな本に出会いたかったなぁ…と思います。


 英語を学ぼうと思っている方、他の英語教材ではどうも砂を噛むようでしんどいという方、そして英語のメカニズムについて理解したい方、そういう全ての方にオススメです。『1億人の英文法』というタイトルは伊達じゃありません。

レビュー投稿日
2012年3月7日
読了日
-
本棚登録日
2012年3月7日
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