同調圧力のトリセツ (小学館新書)

  • 小学館 (2022年11月24日発売)
3.31
  • (4)
  • (16)
  • (19)
  • (9)
  • (0)
本棚登録 : 326
感想 : 17
3

劇作家・演出家である鴻上尚史さんと、脳科学者である中野信子さんの対談本。タイトルにある「同調圧力」について語っている場面もあるものの、コミュニケーション全般について、鴻上さんが演出などの経験から培われた視点を、脳科学の観点からはどうなのか中野さんに質問する形が多い。
鴻上さんは「世間」を家族や近しい人など自分の知っている人で構成されている世界、「社会」をその反意語と定義されており、「世間」を大切にしている日本人は「社会」との繋がり方が分かっていないのではと提起されていたのが面白かった。
また、中野さんのお話で印象に残ったのは、97%もの日本人はセロトニントランスポーターが少なく、不安に陥りやすい民族であるということ。曰く、地震や台風などの災害が多く、不安を感じやすい人の遺伝子が残っていったのではないかと。
そのほか、鴻上さんが紹介されていたものとして、アメリカの道徳の授業には「Tattling or Telling(告げ口か情報か)」と呼ばれるものがあり、いろいろな課題をどちらかに分けることで生命や身体に危険性があることは先生に言おうと生徒に教えているというのが興味深かった。
タイトルから期待していた内容とは少し違ってはいたものの、お二人の知見、経験則に触れられて良かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年11月24日
読了日 : 2024年11月23日
本棚登録日 : 2024年11月23日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする