知ってるつもり――無知の科学

  • 早川書房 (2018年4月4日発売)
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本棚登録 : 1687
感想 : 114
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人は、自分が理解していないことを理解できないらしい。

こういうと、非常に愚かなように聞こえるが、実はこの特質が人類の進歩に非常に役立っている。私たちは、自分の頭の中にある知識と外部の知識、すなわち本やネットの知識から友人の頭の中の知識までも、本能的に区別せずに生きている。確かに実践的には、自分の頭の中だろうが外だろうが、アクセス可能であれば十分である。

また、世の中はますます複雑になってきて、全てを理解することは不可能だし、理解できるものだけを使って生きていくこともできない。理解できないところは信頼して生きていくしかない。

しかしながら、自分が理解できていると錯覚していると問題になることがある。例えば、原発やロケットなど複雑な仕組みについて、理解できていないことを知らずに判断すると大変な事故につながる。政治家の選挙でも、政策の影響を理解しないで投票すると、予期しない結果になるかもしれない。

本書は、人が無知の錯覚に陥りやすいことを、人の社会性という観点から説明する。そして人の知能は個人の中にはなく、社会との関わり方にあるとして、教育や評価のあり方についても考えていく。

自分の知能について謙虚になれるとともに、生きていくうえで何が大切なのかを考える機会になった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年4月19日
読了日 : 2019年4月15日
本棚登録日 : 2019年4月17日

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