はじめてのパターン認識

著者 :
  • 森北出版 (2012年7月31日発売)
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本棚登録 : 459
感想 : 17
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IoT、ビッグデータ、人工知能ブームだ。このブームを支える技術の1つが機械学習である。
特に、Azure MLなどクラウドの機械学習プラットフォームも登場し、
より多くの企業が機械学習の活用を検討することになるだろう。
特に今まで使ったことのない企業は、ITベンダーから提案されるままに、
機械学習というキーワードに飛びついて、つまらないシステムに投資するリスクも高まる。
そのため、機械学習の基本概念と数学的基礎を知っておくことは、
ソリューションの目利きのために、必要不可欠だろう。

機械学習の入門書は数多く、図解中心で数式のほとんどないものから、
数ページにわたる数式展開や例題からなるものまで、難易度の幅は広い。
内容についても、教師あり学習の2、3のアルゴリズムだけのものから、
最近のディープラーニングまで多くの手法を紹介するものまである。
保有知識や目的によって、適切な書を選ぶ必要がある。

本書は、代表的なパターン認識のアルゴリズムについて、
識別関数や識別精度を数式で導くところから解説し、応用問題もあり、
本当の理解のためには、大学の線形代数や応用数学の知識が必須ではある。
しかし数式をさらっと流しても、各手法の雰囲気はつかめるように書かれている。
もちろん、紙と鉛筆で自分で計算するのが、本書の正しい使い方だろう。
ちなみに訂正が多いので、出版社から訂正表をダウンロードする方がよい。

機械学習について、数学的に何をやっているのかを知りたい人、
各アルゴリズムの違いを理解したい人、バリバリの数学書は時間がない、という人向け。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年12月22日
読了日 : 2015年11月17日
本棚登録日 : 2015年12月22日

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