★+1、現代アメリカで最も尊敬されている歴史学界の長老のひとり、ウィリアム・マクニール博士による一冊。初版は1967年。本作は、考古学、古代史部分が最近の研究成果を取り入れて大幅に書き換えられ、ソ連、東欧社会主義の崩壊までが追記された第四版。
世界史という大きなテーマを扱おうとする場合、とてつもなく大きな誤解を引き起こし得るとしたうえで、それでもそれが発展し、歪曲し、解釈され直してなお、個々人が抱える問題に答えを見出すことに質すればよい、とする学者然としたリベラルな態度には脱帽するし、本当にいい意味で挑発的だと思います。
世界史に悩む学生が読んで下されば、180度科目に対する印象が変わるんじゃないでしょうか。
鉄の品質が勢力図を変えた古代史から、アメリカ発見以前の欧州における宗教と政治、その頃の太閤下日本に対する洞察のダイナミズムは痺れるほどクール。
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- 感想投稿日 : 2012年10月15日
- 読了日 : 2012年10月15日
- 本棚登録日 : 2012年10月15日
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