愚者のエンドロール (角川文庫)

3.62
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本棚登録 : 8691
レビュー : 916
著者 :
制作 : 高野 音彦  清水 厚 
tomosakuさん  未設定  読み終わった 

著者のデビュー作でもある前作が、正直、文章にはそこそこ不満を持ちつつ、それを差し置いて空気感やキャラクターを気に入ったので続編である本作を読んでみましたが、本作の言葉、文章はしっくりと入ってきました。

この、言葉のテンポが合う感覚はなんだろう。単にこの作品が「読みやすい」ってだけの理由では恐らく無くて、感覚的に、文章のリズムがワシの読書ベースと結構しっかりはまった作品でした。

そして、ミステリーとしてのこの角度からの切り口は、ワシが余り知らない故かもしれませんが面白い。「古典部シリーズ」が人の死なないミステリーなのは周知ですが、こういう劇中劇の扱い方もあるんだなぁ、と感心します。先輩ミステリー作家へのオマージュ的な小ネタも嫌いじゃ無い(綾辻行人氏へのそれとか)。

ただ……と、逆接で言うことでも無いかもしれませんが、本作はより青春小説になってます。どちらかと言えば、青春小説の要素にミステリー的なものを織り交ぜたかのような、主題は高校生たちの成長物語なのかな、と感じます。無論、悪いことでは無いですが。

ミステリー側のカタルシスはまぁなんとなく推理っぽいものは出来たのですが、青春小説側のそれは(残りのページ量から何か来るだろうとは思ってましたが)ちょっと面白みがありました。そここそ本作が青春小説たる部分ですが、さておき、この「トリックを用いないカタルシス」の作り方は仕掛けてみたいものです。(広義では叙述トリックかもしれませんが)

と、全体的に不満の無い作品でしたが、とはいえ内容的にすごい感銘も受けなかったので、ワシのレビューで相対化すると★3ちょいくらい、そこに言葉のテンポが合ったので(極めて感覚的ですが)★4つ、といったところでしょうか。

レビュー投稿日
2013年1月25日
読了日
2013年1月25日
本棚登録日
2013年1月25日
2
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