怒りと哀しみと虚しさと諦観が交互に襲ってくる。妖怪作家による戦争漫画は、自らもいた戦地、南太平洋のニューブリテン島を舞台とし、上官の命令よって最後は玉砕の突撃をしていく兵士たちの、それまでの日常と凄惨な最期を描く。
玉砕、ってなんなんだ。この戦中の精神論はなんなんだ。戦争自体やるもんじゃないという前提だが、それはそれとして、戦争とは味方の兵士を効率よく殺すことだ、という非情な論理がある。玉砕はそれにすらもとる狂気の行為だ。
歴史は繰り返す。だが繰り返さぬよう、先人の描き残した警鐘を噛みしめたい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2020年10月23日
- 読了日 : 2020年2月19日
- 本棚登録日 : 2020年10月23日
みんなの感想をみる