悪の教典

3.72
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本棚登録 : 1708
レビュー : 356
著者 :
tomosakuさん  未設定  読み終わった 

面白いのに、なにかが惜しい。そう感じる作品というのもママありますが、ワシにとって本作は、そういう作品でした。

とんでもなく分厚い本、それでも最初の方はキャラクターの意外性と個性に惹かれ、え、そんな淡々とそんな展開になるの?という驚きに何回かやられましたが、その「展開」に慣れてしまった中盤以降、若干の食傷気味になり、終盤、最も衝撃を受けるべき展開は、物語が「作業化」したかのような単調さをすら感じてしまいました。

それでも、この事態にどう決着を付けるのか、どう物語を終えるのかが最後まで気になったままではありましたが、オチの衝動も弱めで、釈然としない感。

シリアルキラーものの難しさは、その気持ちが凡庸な人間には理解できないものですから、どうしても「うわ、ないわ」というところに落ち着いてしまいがちになるところ。だから、その「動機」が、物語への共感を呼び起こすのに重要ですが、どうしても常人離れしたキャラになってしまいがちですので、やはり難しい。

良い悪いでは無く、「すごいな」と思える主人公ではあるのですが、そのすごさが腑に落ちてこないから、なんか、別世界の出来事を淡々と読んでいるような、そんな気持ちになったのかもしれません。

それが冒頭に書いた、面白いけど惜しい、という部分なんでしょうね。

レビュー投稿日
2013年6月13日
読了日
2013年5月7日
本棚登録日
2013年5月7日
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