
タイトルと表紙の絵に魅かれて書店にて購入。
普段は全く恋愛小説など読まないので、他の小説と比較することは難しいが、
主人公の茉莉の心理描写が非常に優れていると思った。
少なくとも、この手の本にありがちな「難病だけど、明るく前向きに頑張ります!」という単純なものではない。
残された時間の中で茉莉が何を選択し、何を切り捨てていくのか、目が離せなくなる。
和人への想い、友人との距離感、病や死に対する恐怖が刻々と変化していく様子が、ストレートな言葉で語られていく。
個人的には、死期が迫った茉莉が、(かつて自分も同じ立場であった)凛子に対して嫉妬の感情を抱く場面は、
著者のリアルな心情が見えたような気がして心苦しくなった。
- レビュー投稿日
- 2017年11月30日
- 読了日
- 2017年11月29日
- 本棚登録日
- 2017年11月6日
『余命10年 (文芸社文庫NEO)』のレビューへのコメント
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