すごい苦しい物語だった。
昭和の初めに生まれ、根室の畜産農家で使用人としてこき使われたミサエが、家父長制と古い因習、田舎のしがらみ等に囚われながら必死に生きる一部と、その息子雄介を主人公とする二部からなる話。
ミサエは必死に勉強して保健士になるが、故郷に帰ると、また様々なしがらみと悪意に絡め取られ、その人生はままならない方向に進んでしまう。
そして、雄介も養子に行った吉岡家で理不尽な扱いを受け家に縛り付けられているのだが、最後自分の人生を取り戻すために奮起する姿に強く胸を打たれる。
今でも日本のどこかに同じように家の犠牲になり虐げられる人たちがいるんだろうなと思うが、どうかそこから抜け出て自分の人生を生きられますようにと祈るような気持ちになった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年5月28日
- 読了日 : 2023年5月28日
- 本棚登録日 : 2023年5月28日
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