以前学生時代に読み、描写がやたら克明で、くどい印象が残っていました。ビヤンヴニュ司教やマドレーヌ市長の聖人ぶりは記憶していたものの、その他は結構忘れていました。自首するか否かを葛藤するマドレーヌ氏の様子や、裁判所へ向かう途上で何度となく訪れる決心を怯ませるような出来事など、没頭して読めました。脱走を繰り返したジャン・バルジャンは、まるで網走刑務所を脱獄した昭和の脱獄王、白鳥由栄みたいだし、あらゆる困難を乗り越え自己犠牲を全うする姿は、走れメロスそのものなのだが、苦難はまだ始まったばかりなんですよね。
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- 感想投稿日 : 2020年12月16日
- 読了日 : 2020年8月12日
- 本棚登録日 : 2020年12月16日
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