1925年の上海を舞台に描かれた小説。背景になっているのは日系紡績企業での争議をきっかけに起こった「五・三十事件」。列強に支配されていた上海、「魔都」と呼ばれた独特の雰囲気が、イギリスからの独立を志すインド人、ドイツ人やアメリカ人の駐在員、没落したロシア貴族など、この時期の上海でしか存在しない人たちとの係わりから浮かび上がる。今や世界経済を牽引する近代的な大都市になった上海。20世紀初頭の混沌とした姿はあとかたもないが、快適なホテルの一室でかつてこの街を行き交っていた人々に思いを馳せてみるのも一興。
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カテゴリ:
アジア
- 感想投稿日 : 2011年11月30日
- 本棚登録日 : 2011年11月30日
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