ワイルド・スワン(上)

  • 講談社 (1993年1月19日発売)
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本棚登録 : 791
感想 : 94
5

30年前のベストセラー。ずっと気になっていた作品をようやく読むことができました。

日中戦争、国共内戦、そして文化大革命の時代を生きた、祖母、母、著者の三代記です。ドキュメンタリーたっちの文体は淡々としていますが、語られる事実は凄まじく、時に惨たらしい。とくに文化大革命期のところでは、人々の生活、人間の欲望と醜さが赤裸々に描かれていて、正直、読んでいて辛くなりました。それでも、歴史の事実の重みが好奇心を刺激したのか、本を閉じることはできませんでした。この厳しく難しい時代を生きた人々の息遣いが、生々しく感じられます。著者が最後に文化大革命の枷から解放される最終章では、著者と一緒になって解放感と喜び(重苦しいけれど)を感じられた気がしました。

何らかの形で中国に関わる人には特に、一読をお勧めします。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2021年11月11日
読了日 : 2021年11月11日
本棚登録日 : 2021年11月11日

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