30年前のベストセラー。ずっと気になっていた作品をようやく読むことができました。
日中戦争、国共内戦、そして文化大革命の時代を生きた、祖母、母、著者の三代記です。ドキュメンタリーたっちの文体は淡々としていますが、語られる事実は凄まじく、時に惨たらしい。とくに文化大革命期のところでは、人々の生活、人間の欲望と醜さが赤裸々に描かれていて、正直、読んでいて辛くなりました。それでも、歴史の事実の重みが好奇心を刺激したのか、本を閉じることはできませんでした。この厳しく難しい時代を生きた人々の息遣いが、生々しく感じられます。著者が最後に文化大革命の枷から解放される最終章では、著者と一緒になって解放感と喜び(重苦しいけれど)を感じられた気がしました。
何らかの形で中国に関わる人には特に、一読をお勧めします。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2021年11月11日
- 読了日 : 2021年11月11日
- 本棚登録日 : 2021年11月11日
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