山本五十六(下) (新潮文庫)

3.66
  • (22)
  • (53)
  • (50)
  • (7)
  • (1)
本棚登録 : 422
レビュー : 36
著者 :
いまどんさん  未設定  いま読んでる 

上下巻とも、非常に客観的な内容で山本元帥を描き上げた良い著書である。

戦死の原因、アメリカは暗号を解読してたのか、戦死後の各人の動きにかなりの紙面を割いているが、恐らく当時は関心が高かったのだろう。

勝てる見込みのない中、真珠湾攻撃という奇策を用い戦果を上げ、東南アジア側でも連戦連勝、山本元帥は神の如き人間となる。

しかし、ミッドウェイで大敗北を喫したのち、アメリカの圧倒的な国力、戦力の前に敗北を積み重ね、とうとう最前線で指揮をとっていた山本元帥は戦死する。

国葬の後、姉が遺骨を引き取り、山本が信頼した、米内、井上の神格化はするな、という言葉で幕を閉じる。

そして、山本元帥無しでは戦争を終結させられないと考えていた軍人、知識人は激しく落胆したという。

ミッドウェイの時点で、連戦連勝の驕りもあり、アメリカが一部暗号を解読して情報戦で圧倒的有利だったこともあり、山本元帥をしても大きな流れを変えられなかったのだろう。

しかし、もし山本元帥が戦死してなかったら、戦争の終結地点は変わったかもしれない。

戦争には勝てないと分かっており、圧倒的な国民支持を持っているからこそ、和睦の道筋が立てられる人材だった。

優秀な指揮官ではなかったかもしれないが、日本の中で最も大局観を持った人間であり、アメリカにも畏怖される存在であったのは間違いない。

最後に私が座右の銘にしている山本元帥の言葉を引用して終わりとする。

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」

レビュー投稿日
2019年10月11日
本棚登録日
2019年9月9日
0
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『山本五十六(下) (新潮文庫)』のレビューをもっとみる

『山本五十六(下) (新潮文庫)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。
ツイートする