痴人の愛 (新潮文庫)

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本棚登録 : 6161
レビュー : 788
著者 :
とし長さん 文芸・文学・群像劇   読み終わった 

 喫茶店で働く15歳の少女ナオミを自分の理想の妻に育て上げようと考えた河合譲治。しかし、河合は徐々にナオミの言動に抗えなくなってしまい…

 読む前はナオミがどんなに魅力的で危険な魔性の女っぷりを見せてくれるのか楽しみにしながら読み始めたのですが、ちょっとイメージと違ったかなあ。言動が思ったより露骨で下品だったなあ、というのが正直な印象。

 ナオミに対しそう感じてしまったので、譲治がナオミに囚われていく描写もイマイチ入り込めず…。このあたりは完全に自分の好みの問題だとは思いますが…。

 読み始め当初はナオミに囚われた譲治に対し、「馬鹿だけどかわいそうだな」などど少し同情的に読むところもあったのですが、
譲治がナオミと喧嘩し「出ていけ」と啖呵を切ったにも関わらず、その後彼がナオミの少女時代から今までの身体の成長の様子を記録したノートを読み返し、後悔する場面を読んでその感情が消し飛びました(笑)。ナオミも大概だけどあんたも相当だよ……。

 二人の関係性がこうなった原因は結局どっちのせいということもなく、どっちもどっちだったのだろうな、と思いました。

「女は恐ろしい」という言葉がありますが、この本を読んでいると女が恐ろしいというよりかは、破滅すると分かっているのに、結局本能に負けてナオミとの関係をズルズル続けてしまう譲治を通して見えてくる男の肉欲、性欲の恐ろしさ、というものの方が強く感じました。まあ、本人はそれに満足しているみたいなので、読者がとやかく言うことでもない気はしますが。

 譲治のナオミに対する感情って愛なのかなあ…

レビュー投稿日
2015年9月25日
読了日
2015年9月21日
本棚登録日
2015年9月11日
4
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