Mr.トルネード 藤田哲也 世界の空を救った男

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本棚登録 : 164
レビュー : 22
著者 :
tosyokan175さん  未設定  読み終わった 

なぜ日本ではイノベーションが起こらないのか、みんなで議論している昨今ですが、その答えが本書にあると思いました。「Mr.トルネード」藤田哲也は、やはり日本生まれたけどアメリカしか育てられなかった天才なのだと思いました。特異点を打ち消す同調圧力社会と特異点がさらに特異になっていくことを称賛する社会の違いを強く感じます。アメリカでも批判や無視もさらされる「変わった」学者であり、批判者が味方になっていくプロセスや、あるいは共同研究者へも訴訟を辞さないエキセントリックなエピソードは本書のハラハラドキドキを作り出しています。また著者がTVディレクター出身だけあって、証言者の顔が写真としてそれぞれに掲載されているので彼らの藤田に対する想いがビビッドに伝わります。死を恐れずダウンバーストの中を飛行したがる狂おしいまでの好奇心と計算尺まで手作りするような圧倒的なクラフト力と理論より先に現象をビジュアルで捉えることの出来る直観能力と、つまりクレイジーなまでの心と腕と目をもった観察少年、それが「Mr.トルネード」なのでありました。こんな特異点、教育でつくることできるのか?それでもいくつもの賞をとった彼がキャリアの中で大事にしていたのが「昭和十四年 小倉中学 理科賞」というところに希望を感じたりします。褒められることから生まれる自己肯定感、それがトルネードのようにどんどん渦を作っていくようなそんな体験を子どもたちに与えることが大切なのかもしれません。

レビュー投稿日
2019年6月12日
読了日
2019年6月12日
本棚登録日
2017年7月16日
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