私の1960年代

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本棚登録 : 150
レビュー : 18
著者 :
tosyokan175さん  未設定  読み終わった 

「磁力と重力の発見」で社会と歴史が科学というものを作り出していく過程を深く広く細かくダイナミックに描いた著者が「東大全共闘議長」としての自分の歴史と学生運動が吹き荒れていた社会を振り返ります。それは若き物理の大学院生の「大学と科学の再発見」の物語。我々の世代にとっては駿台予備校の物理の先生であって、あれだけ戦っていた大学教育に学生を送り込むことを生業としていることに人生の苦さを勝手に感じてしまっていましたが、著者の澄み切った目は未だに社会と歴史と科学を見つめていました。3・11を自分事として捉えるスタンスも一貫しています。本書を読み終わったあとC調な感想ですがユーミンの卒業写真の一節「人混みに流されて変わっていく私をあなたは遠くで優しく見つめて…」というフレーズが流れました。軽くてどーもすいません。中間層が崩壊して社会の二極化が進んでいる民主主義の国ニッポン。ポピュリズムという言葉で民主主義そのものも傷んでいくような現代ですがこの老学者の「制度として体制に組み込まれ、たんなる手続きと堕落した民主主義が秩序として現出する場合、その秩序から取り残されるマイノリティを生み出してきます。」という言葉はとても沁みます。

レビュー投稿日
2017年11月20日
読了日
2017年11月19日
本棚登録日
2017年8月10日
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