亀倉雄策の直言飛行

著者 :
  • 六耀社 (2012年12月1日発売)
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感想 : 6
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昨年のオペラシティでの和田誠展で表紙を見てのジャケ買い本です。一冊前に和田誠「銀座界隈ドキドキの日々」を読んで図案とか意匠とかがデザインって言葉に塗り替えられていく時代の雰囲気に触れ、その潮流のど真ん中のキーマンの言葉が知りたくなって急遽、積読本を開きました。この本の帯に「日本のデザイン界を創ったグラフィックデザイナー」と書かれていましたが、まさに亀倉以前、亀倉以後ということになるのでしょう。まさにダイナミック。1964年の東京オリンピックのポスターが代表作として知られていますが(本書の表紙も和田誠によるそのポスターのパロディ)、彼の仕事の一番大切な部分は、産業界にデザインの重要性を認識させたことだと思います。だから、この本は企業や行政の無理解についての怒りであり、他の芸術領域との格差についての怒りであり、海外のCI会社への怒りであり、実にパワフルなのです。なので、その風貌も相まって新庄監督以上にビッグボスな人でした。でも、プロデューサーというより作る人、デザイナーの部分が先行していて、それが賞やギャラに対する執着みたいな感じも出していていい味になってます。たぶん高度経済成長期とデザインの蜜月をデザインしたのが彼だとしたら、人口減少社会のデザインのあり方のデザインって、もう始まっているのかもしれないと、思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年6月7日
読了日 : 2022年6月2日
本棚登録日 : 2021年12月3日

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