ポストグローバリズムの一つのかたちとしてのローカリズム。その価値と必要性を描き切った一冊。資本主義社会から「前向きに背を向ける」生き方の提案は、今の私も含め若い世代に刺さるのではないか。
日本という国のアップデートが叫ばれる中、ウチダ先生のように「定常」の価値を提唱する方の存在は尊い。
同じ左派でも経済成長を目指すグループもあり、脱成長戦略は批判されることもあるが、それだけ建設的な議論の呼び水となるとても良質なたたき台なんだと思う。
特に大学から私塾へのコペルニクス的転回の箇所は必読の価値あり。地域や同好に根ざしたコニュニティのかたちは、それこそウチダ先生の凱風館のような古き良きかたちか、今流行りのオンラインサロンか、両極端なかたちをとって発展していくような予感がする。
この本を触媒にして、コルク佐渡島庸平さんの『WE ARE LONELY BUT NOT ALONE』を読むと面白そうだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
③非ビジネス_国内思想
- 感想投稿日 : 2018年11月14日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2018年11月14日
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