ハゲタカ(下) (講談社文庫)

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レビュー : 306
著者 :
touxiaさん 金融/銀行   読み終わった 

ハゲタカとは 投資家のファンドをつのり、
ハイリスクハイリターンの高率な利益を確保する。
不良債権の買取 企業買収など 
金融と企業の闇の中で暗躍するものたちのことである。

鷲津政彦は、ジャズピアニストを目指していた。
突然 ピアノが弾けなくなってしまった。
船場で生まれ、もともと商才にたけていた 鷲津は
ミューヨークの投資ファンドのパートナーになった。

バブル崩壊の日本で、銀行の不良債権を買い叩く、
銀行には表に出せない 不良債権が おおくあり、
銀行は『バルクセール』をせざるを得なかった。
それを ハゲタカは狙う。

ニューヨークに勤務したことのある 三葉銀行 芝野は、
そのバルクセールの担当者となった。
(芝野は、ターンアラウンドマネージャーを希望していた)
芝野は、初めてバルクセールのときに 鷲津と出会うが、
鷲津の風貌は くたぶれた中年のおじさんにしか見えなかった。
バルクセールを通じて 鷲津の実力を知る。
情報収集力、戦術の立案力、交渉力、喧嘩力。
その巧みさは 目を見張る。

ターゲットは ゴルフ場 地方銀行 創業的製造業。
その狙い方は大きな構想の中にある。
まさに、日本を買う と気概に 満ちたもの。
鷲津には、ある怨念があった。
三葉銀行 飯島亮介は、頭取も知らない仕事の担当者であった。
鷲津と飯島の見えないところでの暗闘。
物語がミステリーとしても読みどころがある。

デューデリジェンスの考え方が土地を基本にするのではなく
その土地からどれだけお金を生み出すことができるのか?
を基準におくところが なるほどと思う。
本来のバンカーとは、なにかを問う。
銀行の人に言えない不良債権、隠し口座、会社の私物化、
・・・膿が流れ出る。
その膿を 吸血鬼のように 吸うことによって
ハゲタカは 成長していく。

アメリカの投資銀行 ゴールドバーグ・コールズの
ファイナンシャル アドバイザー リン・ハットフードと
鷲頭の会話が スノッブ である。
その間合いがとても粋である。

リンはいう
『フェアーとかラブとは信じない。
信じるものは パッションだけ』と。

松平貴子というホテル ミカドグループの お嬢さんが、
スイスのホテル大学に留学を決定するシーンから始まるが、
彼女の その時々の決断は 
びっくりするほどの意志の強さに 物語の伏線として
貴重を形づくる。
鷲野よりも貴子の生き方のほうが気になってしまう。

一気に読みきって、
確かに、日本人は大切なものをなくしてしまった
とおもった。

レビュー投稿日
2013年2月12日
読了日
2013年2月12日
本棚登録日
2013年2月12日
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