コンビニ・ララバイ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2005年6月25日発売)
3.17
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本棚登録 : 1987
感想 : 286
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珈琲屋の人々を読んで、
主人公が 人殺しで、服役し、それで 喫茶店のマスターをしている。
そのマスターのもとに、離婚したり、いろんな生活破綻者が
思い詰めて、相談に来る というパターンだった。
どこか、くらくて マイナスのイメージがあり
ほんの少し、上に向く感じだが、でも沈没している。
それでもいいのだ という感じがあった。

今回のコンビニのマスターは
ヨメに言われて、会社を辞めて コンビニを開いた。
しかし、子供は 車にはねられ、ヨメも自動車事故にあった。
何か、抜け殻のようで、店を 守る気概もないようだ。

にぎやかで 乾いている コンビニ。
あいかわらず、そこに来る人たちは 離婚経験があったり
サラ金の借金があったり、ヤクザだったり、
生活の底辺で苦労している ような人だ。
くらい顔をしていて、しかし、暖かみがあるというキャラクター。
なぜか、読みながら ますます くらくなってしまう。
作者のからだにある 何かは こんなにもくらい物語を
紡ぎ上げて、なにを語りたいのだろうか?
さびしい人格が さびしい物語を書いているなぁ
という 感じで 終ってしまった。

セックスの場面を無理矢理いれていて、
あまり、必然性がないような。
乾いていたり、濡れていたり、清い関係。
ふーむ。なぜか 動物的な感じだね。
まぁ。池永陽は これでいいよ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 青春/恋愛
感想投稿日 : 2016年9月2日
読了日 : 2016年9月2日
本棚登録日 : 2016年9月2日

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