反日抗議活動が起こった2005年までの間を、人間が成長するような物語として描き切る。小説というより、ノンフィクションの形式とも言える。
国交回復以前に、中国をターゲットとした先見性は、評価できる。
そして、そこに関わった人々を物語とする。
何故、香港であり、何故、中国なのか?
銀行業務は、預金と貸付という単純なものではない。
同時に、香港や中国では、貸し付ける先が、信用調査をきちんと
することも不可能で、信用調査はその経営者を見抜くしかないのである。
決済を元ですると言っても、評価がしにくい。
周恩来は、円元決済を打診してきた。その時に、三和銀行は、必死となって取り組むことになるが、その手柄は東京銀行に取られることに。
幾つかの事例の中で、香港や中国でのビジネスの基本的な考え方が、
明らかになる。とりわけ、現地化というテーマが興味ふかかった。
丁寧な取材の上に成り立っているが、銀行の暗部は浮かび上がらない。
三和銀行物語 だからだ。
銀行自体が、コンサルティング業務をせざるをえない。進出に手助け、マッチング業務など、様々なことが要求される。
それは、中国の法令がめまぐるしく変化して行くゆえに、
それを遵守するコンプライアンスが必要とされる。そういうポジションに銀行がある。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
中国小説
- 感想投稿日 : 2013年1月18日
- 読了日 : 2013年1月18日
- 本棚登録日 : 2013年1月18日
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